変形性股関節症の進行を遅らせるポイント

変形性股関節症の末期と突然言われ、末期とは言われたものの、まだ違和感ある程度で、人工股関節という最終手段は、はるか彼方向こうのことのような気がしていたので…。

さて何から始めようか。とりあえず、

ぱたぱたっこ

進行を遅らせるにはどうしたらいいか、

このことを考えました。

変形性股関節症とはどういう状態かを考える

変形性股関節症とは、骨と骨の間の軟骨がすり減って、骨同士が当たることで痛みが出るわけですから、いかに、この軟骨のすり減りを避けるのかということです。このすり減りを遅らせるために行うことが、いわゆる「保存療法」と言われる事のようです。

「保存療法」は、生活の中で、いかにいろいろな事に注意していけるか、何か特別な事をするのではなく、以下の点を回避するという事です。

体重を増やさない

入院中に、70代後半の女性で、毎日自分の家の飲食店で2階まで食べ物を運んでいたという方は、小柄ながらにシュッとしていて、身の回りもきれいで、私と同じくほぼリハビリなしで退院していきました。一方でまだ、まだ60代の女性で、手術後に離床して立ち上がるのも2日ほど「痛いから」、と拒否、ようやくリハビリ始まっても、「もういいです」とさっさと切り上げて、それ以外はほとんど動こうともせず、ずっと差し入れのお菓子を食べながら、横になってテレビを見ていました。失礼ながらベッドまわりも乱雑でした。日常的に、きちんと生活をし、体重管理をするという当たり前のことも習慣になっていないと難しい人もいるのだなあと思いました。

走らない 飛び降りない 歩きすぎない

走ったり、飛び降りたりといったことは日常生活ではありませんが、当時というより今も、少し走ってみると、股関節への負担感を感じます。バレエでシャンジュマンやグランジェッテなどは飛びますが、ちょっとイスの上にあがってそこから飛び降りるとか、やはり股関節にずーんとくる感じが嫌ですね。

また、歩くこと自体は筋力維持に大切ですが、震災の時に、職場から保育園までの道のり12キロぐらいを3時間かけて歩いた際は、運悪くスニーカーではなかったので、しばらく股関節へのダメージが大きかったです。靴選びも重要ですね!スニーカー以外では、ぺったんこの靴よりは、少しかかとがあって、かかとが柔らかい靴が好きです。

重いものを持たない

介護の仕事でボディメカニクスを使って利用者様を支えたり、移乗したり、といった事はあまり負担にはなりませんが、買い物袋を両手に抱えて10分歩く、といった事は股関節への負担が大きいと感じています。あと、家の中で家具の移動、お子さんが小さい方は、おんぶや抱っこ(お孫さんの場合も)を長時間するのも、負担がかかりますよね。

激しいスポーツをしない

結局、走る、飛び降りる、といった事を避けるとなると、マラソン、サッカー、テニス、バスケットボールやバレーボール、たいていのスポーツは該当しちゃいますよね。また、卓球などは大丈夫そうに見えて、「片足をでふんばる」という動作は、痛い方の足で踏ん張れなくなって転んんでしまい、けがにつながることもあります。

私は一度自転車でふらついて、痛い方の足でふんばれず、反対の足を軽い捻挫したことがあります…。また、手術後1度スキーをしました。若い頃あれだけ楽しんだスキーですが、意外と、股関節に負担かかっているんだという事と、転んだ時に、変な転び方したら脱臼するかも…の恐怖が勝ってしまいました。

「保存療法」以外にも進行を遅らせるための取り組みとして

「保存療法」とともに、バレエでのストレッチや、水泳、水の中を歩くといった「運動療法」や整体やマッサージ、鍼治療、時には痛み止めを飲むことで、手術決断するまでの時期をうまく乗り切っていきました。

私は、手術するまでは、結構泳いでいました。特に平泳ぎなどは股関節をいい感じでストレッチできました。また、いきつけの整骨院(←これ大事です。行きつけの整骨院)でマッサージと、時には鍼治療をしてもらっていました。また、薬はよっぽどのこと(本番とか)がない限りあまり飲みませんでした。外でお酒を飲むのも、控えるようにしていました。というのも、痛みがないと、つい動いてしまい、翌日に影響が出たりしたからです。

さて余談ですが私の人生を振り返ってみると…。

私は、子どもの頃スポーツ万能で、水泳、スピードスケート、なわとび、ソフトボール、ポートボール、長距離走、けんすい、砲丸投げなど、短距離走以外のスポーツはたいてい上手にできて小学校6年生の時には健康優良児の候補に選ばれるほどでした。

田舎の中学で、女子が入る運動部はバレーボールかバスケットボールで、確実に遺伝的に自分が身長が伸びないことがわかっていたので、敢えて運動部を選ばず、吹奏楽部に入りました。高校も演劇部、大学はDJサークルで、スポーツの部活をやらない青春時代でした。実は、少しだけこの自分の選択に、せっかく運動神経よかったのにな、と、もやっとした悔いがあったのですが、変形性股関節症が分かった時に、近所の整形のドクターは

整形外科医

もしも、若い頃真剣に何かスポーツをやっていたら、もっと早く股関節の異常が見つかり、そのスポーツを断念せざるを得なかったかもしれないです

また、唯一大人になってからもバレエ以外で続けていたのが水泳だったのですが

整形外科医

水泳は、負荷をかけずに股関節のまわりの筋力を維持することができるので、むしろ幸いでしたね。

とも。

人生、すべて塞翁が馬。ラッキーかアンラッキーかその時に感じたことと違うこともあるんだな。と。大袈裟ですがちょっと、人生観変わりました。

クラシックバレエについては、飛んだり跳ねたり、ねじったり、もしかしたら進行を進めるかもしれないし、逆にストレッチをして筋力をつけて股関節を支える力がついているかもしれないし、未だに、変形性股関節症とわかってから手術するまでの7年間にバレエを続けていたことがよかったのか悪かったのか、私にはわかりません。

また、手術後の今も、クラシックバレエの中のストレッチや筋力強化という意味では、股関節の維持にはプラスだとは思います。でも、トウシューズを履いて片足で立ったり、グランジェッテで飛んだり、ピルエットで股関節をねじりながら回ることが、人工股関節の摩耗を促進しているのか、わかりません。

けれど、手術をしてくれた医師が初めて会った時に

Y医師

たとえ、85歳まで摩耗せずにいけるかもしれない人工股関節が、バレエをすることで84歳になるとしても、あなたから生きがいであるバレエを奪うつもりはありません。つまり、バレエを続けたとして、人工股関節への負担はその程度の違いにすぎないという事です。

Y医師

今は医学が進んで、短くても30年は問題なく過ごせるはずです。そして、その頃にはまたきっと医学は進んでいますよ。あ、でもバレエだからですよ。これがマラソンとかだったら、ちょっと負荷がまた違いますからね

とおっしゃってくれて、目からウロコというか、それまでの不安やもやもやがスーッと溶けていったのを覚えています。そして、この先生に手術してもらおう!と思ったのです。

私はバレエを踊る事で、とってもたくさんの物を得ていることは確かです。80歳を過ぎたら、ぜひ、みなさんに、自分の人生がその後どうだったか、報告したいです。

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patapatakko
こんにちは、ぱたぱたっこです!45歳の時に先天性の変形性股関節症とわかり、51歳の時に両足人工股関節の手術をしました。手術後は手術前の痛みがうそのように、趣味のバレエも介護の仕事も、大きな問題なくできています!股関節の痛みに不安になる誰かのもとにこのブログが届きますように!