老いを迎える前に覚悟していること

当年とって、59歳でございます。来年には還暦を迎えます。有名人でいえばダウンタウンとタメでございます。

昭和23年の日本人の平均寿命は男性55.60歳 女性59.40歳ですから、すでに戦後の日本であれば、私は今年平均寿命でございます。私が生まれた昭和63年では男性67.21歳、女性72.34歳とと10歳以上のび、令和3年に発表された日本人平均寿命 男性81.64歳、女性87.74歳です。まだ私も30年弱もあるという事ですから、戦後70年で本当に変わったなあと思います。

特に病気もせずに50代を迎える人も多いですから、親の介護で親の老いを目の当たりにしても、戸惑ったり、腹が立ったり、不満に思ったりすることこそあれ、その親の老いを、20年後、30年後の自分に置き換えることはなかなか難しいですよね~。

覚悟すること1 老いを受け止める

私は幸いにも、40代後半で思うように歩けなくなり、いろいろと考える機会がありました。手術前にはほぼまともに歩けず、50歳すぎて手術で歩けるようになったものの、(摩耗による劣化は最低でも30年は大丈夫と言われましたが)30年経って80歳すぎれば、摩耗もすれば、自分自身が老いて骨ももろくなるわけで、当然異物である人工股関節に不具合がでる可能性だってあるだろうな、車いす生活になる可能性は普通の人よりも高いだろうな、と覚悟しています。

介護の仕事をしていたので、いろいろなお年寄りと知り合う事ができました。認知症だったり、糖尿病や肺がんといった病気を抱えていたり、透析や胃ろうをしていたりと、理由があるから介護施設に来ている方々ですが、中には、健康だったのに、転んで大腿骨骨折をして突然車いすの生活になったり、脳血管疾患やパーキンソン、糖尿病やがんなどで生活が激変する方もいらっしゃいます。自分だけは大丈夫と思っていても、いつそうした事が起きるかわからない。股関節以外でも、何かそうした人生が待ち受けているかもしれない。

覚悟しておくことの1つは、自分の老いを受け入れること。

覚悟しておくことの2つめ 家族を大切にする

介護サービスを受けるには、どんなサービスであれ「契約書」が必要で、そこには本人だけではなく「家族代表」のサインが必要です。この「家族代表」が、本人の、夫や妻、子ども、というのが一般的ですが、時々、その家族代表がいない方もいらっしゃいます。結婚しない人、離婚した人、結婚したけど連れ合いに先立たれ子どもがいない人…。ご本人の高齢の兄弟姉妹やいとこ、甥、姪といった方が家族代表である事もあるのですが、時代的に兄弟姉妹も多く、親戚のつながりがある世代だから、たいていなんとか解決します。しかし、私の世代が高齢者になった時には、核家族化が進んだ世代、結婚しない人、離婚した人、結婚したけど子どもがいないといった人が多い世代ですから、この「家族代表」がいない人はもっともっと増えるように思います。よかったら、ちょっと前ですが私の共著「30代未婚男」をお読みください(^^♪。→2006年の本ですから、16年経って、状況はまた変わっているでしょうね~。

私は兄弟姉妹もいるし、兄弟姉妹にも甥姪がいて、私には子どもも3人います。

けれど、歩けない→手術→歩けるようになった、という経験から、80歳過ぎたら歩けなくなる可能性が人よりも高いかもしれないな、と思っているのでいろいろと自分なりの「覚悟」を決めています。

もしも歩けなくなったとして、どうしても自分の家に住みたいというような願望は幸いにもなく、どこでもいいから自分のパーソナルスペースが確保されていればそれでいい、子どもが世話してくれるといえばありがとうと思うし、そうでなければ、何らかの施設に入る経済力をもっておきたいと思う。

覚悟しておく2つめは、家族、親戚と良好な関係を保つ人生を送ることと、かといって、自分が老いた時に、世話をしてもらう事に期待しすぎないという点。

覚悟しておくことの3つめ ケアされること

2回目の手術の時に、予定が狂って、手術の翌日に生理が来てしまいました。導尿していて、全く自分も動けない時…どうしたかというと、簡単に言うと大人用のおむつ状態で、その処理を看護師さんがしてくださいました。陰部洗浄も、ただの陰部洗浄よりも、大変になってしまったわけです。その後看護助手で病院で術後の患者さんや、寝たきりの方のケアをしたので、自分がほかの方をやることで、必要な事だとよくわかり、今では抵抗感はありませんが、その時は、恥ずかしさと、申し訳なさと入り混じった、本当にやるせない気持ちでした。

老いたり、病気になれば、そうしたケアを受けることになります。介護施設でも、トイレ介助や入浴介助などを嫌がり、なんどか自分でやりたいという方もいらっしゃいます。けれど、けがや事故の元です。失禁が増えても、紙パンツが嫌だという方も多いですが、汚してしまい、結果的い迷惑をかけてしまったりします。ですから、老いたら、子どもであれ、介護スタッフであれ、誰かにケアしてもらう事への抵抗感もなくしておこうと思います。

けさのテレビで女優の内田有紀さんが

「何かしてもらえたらありがとう、迷惑かけたらごめんなさいと素直に言える人でありたい」

と言っていて、ああ、この人がこんな素敵なのは、そうした思いをもっているからなんだろうな、と思い、自分もそうありたいとしみじみ思ったのでした。

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patapatakko
こんにちは、ぱたぱたっこです!45歳の時に先天性の変形性股関節症とわかり、51歳の時に両足人工股関節の手術をしました。手術後は手術前の痛みがうそのように、趣味のバレエも介護の仕事も、大きな問題なくできています!股関節の痛みに不安になる誰かのもとにこのブログが届きますように!